離れて暮らす親の家を訪ねたとき、玄関にごみ袋が置かれたままになっていたり、以前よりごみがたまっていたりすると、心配になることがあります。
「ごみ出しが大変になってきたのかな」「近くに住んでいないから、毎回手伝うのは難しい」
そんなときは、何が負担になっているのかを聞き、住んでいる地域の支援を探してみましょう。自治体によっては、玄関先などでごみを収集する制度や、地域の人がごみ出しを手伝う活動があります。
この記事では、利用できる支援と相談先、離れて暮らす家族にできることを紹介します。
ごみ出しが難しくなる理由
ごみ出しは、袋にごみを入れて運ぶだけではありません。分別し、収集日を確かめ、決められた場所と時間に出す必要があります。
ごみを運ぶことが負担になる
袋の重さだけでなく、集積所までの距離や階段、坂道も負担になります。雨や雪で足元が滑りやすい日もあります。
家の中を歩けていても、ごみ袋を持って外へ出るのは難しいことがあります。「家では歩けるから大丈夫」と決めず、実際に運ぶ道のりも一緒に見てみましょう。
分別や収集日がわかりにくい
ごみの種類によって収集日が違い、分別の決まりに迷うこともあります。収集日を間違えたことだけで、認知症と判断することはできません。
カレンダーの文字が読みにくいのか、分別の方法がわからないのかなど、困っているところを聞いてみます。
決められた時間に出すことが難しい
朝の決められた時間までに出す地域では、その時間に合わせるのが負担になることもあります。一度出しそびれた袋が、次の収集日まで残っている場合もあります。
まずは何に困っているのか聞いてみる
ごみがたまっていても、すぐに片づけたりサービスを申し込んだりせず、まずは本人に聞いてみましょう。
- 「最近、ごみ出しは大変じゃない?」
- 「ごみ置き場まで運ぶのが重くない?」
- 「分別で困ることはない?」
たまたま出し忘れたのか、袋を持つことや階段を下りることが難しいのかによって、必要な手伝いは変わります。一度にいくつも聞かず、話してくれたことから確かめてみましょう。
利用できるごみ出し支援
自治体のごみ出し支援制度
一部の自治体では、集積所までごみを運ぶことが難しい人に、玄関先などへ収集に来る支援を行っています。「ふれあい収集」「福祉収集」など、制度の名前は地域によって異なります。
申し込む前に、次の点を確かめましょう。
- 年齢、介護認定、障害や体の状態などの利用条件
- 同居家族や近くに手伝える人がいる場合の扱い
- 料金、収集日、回収できるごみの種類
- ごみを置く場所と、そこまで誰が運ぶか
- 分別や袋詰めを手伝ってもらえるか
- 申し込み方法と、利用を始められる時期
玄関先で収集してもらえても、家の中のごみを分別したり袋にまとめたりするところまで対応するとは限りません。東大阪市の「ふれあい収集」では、本人が玄関先まで出したごみを収集し、収集作業員は家の中に入らないと案内しています。
袋詰めや玄関先までの運搬が難しい場合は、その作業も含めて相談しましょう。制度がない地域や、利用条件に当てはまらない場合もあります。
地域の支え合いや生活支援サービス
地域の住民やボランティアがごみ出しを手伝う活動もあります。社会福祉協議会や生活支援団体などが窓口になっている場合があります。
料金や利用できる曜日、手伝ってもらえる範囲は地域によって異なります。「誰が、いつ、どこまで手伝うか」を聞き、担当者が来られない日の対応も相談しておきましょう。
訪問介護などの介護サービス
すでに介護サービスを利用している場合は、担当のケアマネジャーに相談してみましょう。生活援助として、ごみ出しに対応できる場合があります。
ただし、希望すれば必ず利用できるわけではありません。本人の状態や生活環境、サービスの内容に合わせて、どのような手伝いが必要かを相談します。
ごみ出し支援はどこに相談すればいい?
ごみ出し支援制度を知りたいとき
まずは、本人が住んでいる市区町村のホームページで「ごみ出し支援」「ふれあい収集」などを探してみましょう。自治体名を加えて検索すると、その地域の案内を探しやすくなります。
見つからなければ、ごみ収集担当窓口へ問い合わせてみてください。高齢者福祉の担当部署などが窓口の地域もあるため、自治体の案内に従います。
ごみ出し以外にも生活の心配があるとき
買い物や食事の用意などにも困っている場合は、本人の住所を担当する地域包括支援センターに相談できます。介護認定を受けていなくても、暮らしの困りごとを相談してかまいません。
「離れて暮らす母が、ごみ袋を集積所まで運べなくなりました。家族は毎回行けません。利用できる支援を知りたいです」
このように、難しくなった作業と家族が手伝える範囲を伝えてみましょう。
相談先や準備することは、地域包括支援センターへ相談するタイミングにもまとめています。
すでに介護サービスを利用しているとき
担当のケアマネジャーへ、今のサービスで対応できるか、地域のほかの支援と組み合わせられるかを相談しましょう。
相談前には、次のことを短くメモしておくと伝えやすくなります。わからないところは空欄でかまいません。
- 本人の住所、年齢、一人暮らしか同居か
- 困っている作業(分別・袋詰め・玄関まで・集積所までなど)
- いつ頃から難しくなったか
- 階段や集積所までの距離など、住まいの状況
- 本人の希望と、家族が手伝える日・難しいこと
離れて暮らす家族ができること
ごみを出しやすい環境を整える
本人に聞きながら、次のような工夫を試してみましょう。
- ごみ箱を使いやすく、分別しやすい場所に置く
- ごみの種類を大きな文字で表示する
- 見やすい収集日カレンダーを、本人が見たい場所に置く
- 袋が重くなりすぎないようにする
工夫をしても運ぶことが難しい場合は、無理に続けてもらわず、手伝う人や支援を探します。ごみを出す日時と場所は、その地域の決まりに従いましょう。
訪ねたときは、声をかけて一緒に見る
「ごみ出しで困っているところ、一緒に見てもいい?」と聞いてみましょう。家族には不要に見えても、本人に必要な物や大切な物が含まれている場合があります。
「これは捨てても大丈夫?」「次のごみの日に出せるようにまとめておこうか?」と声をかけ、確認せずに捨てないようにします。
ごみ出し以外の生活にも目を向ける
買い物や食事の準備などにも困っていないか、本人に聞いてみましょう。外出も減っている場合は、高齢の親が買い物に行かなくなったときも参考になります。
急に身の回りのことが難しくなった場合は、ごみの片づけだけを急がず、体調を確かめます。いつもと違う様子があるときは、かかりつけ医などへ相談しましょう。
支援を嫌がるときはどうする?
「まだ自分でできる」「人にごみを見られたくない」「他人に頼むのは申し訳ない」など、利用したくない理由も人によって違います。
まずは何が気になるのかを聞き、本人が望む手伝いを一緒に考えます。
「今すぐ頼まなくてもいいけど、困ったときにお願いできるところを調べておこうか」
このように話して、情報を調べるところから始める方法もあります。申し込みや家の中に入る支援についても、先に本人と相談しましょう。
まとめ|ごみ出しの困りごとを家族だけで抱え込まない
ごみ出しが難しくなったときは、分別、袋詰め、運搬のどこが負担になっているのかを聞いてみましょう。
制度を知りたい場合は自治体のごみ収集担当窓口へ。ほかの暮らしにも心配がある場合は地域包括支援センターへ。介護サービスを利用している場合は担当のケアマネジャーにも相談できます。
本人の希望と、家族が手伝える範囲を伝え、続けられる方法を一緒に探していきましょう。
参考資料
ごみ出し支援の対象者、利用条件、料金、支援の範囲は自治体や提供団体によって異なります。最新の情報は、本人が住んでいる自治体やサービスの窓口で確認してください。

コメント