「最近、電話の声に元気がない」
「会っても表情が少ない」
「なんとなく疲れて見える」
そんな変化があると、家族としては心配になりますよね。
「年のせいかな」「たまたま疲れているだけかな」と思うこともありますが、元気がないように見える時には、体調や生活の変化が関係していることがあります。
食事や水分が十分にとれていない、薬が変わった、眠れていない、痛みを我慢している、外出や人との交流が減っているなど、理由はひとつとは限りません。
この記事では、高齢の親の元気がない時に、家族がまず確認したいポイントを看護師の目線でわかりやすくまとめます。
※この記事は、病気の診断や治療を目的としたものではありません。元気がない状態が続く場合や、いつもと違う様子がある場合は、医療機関や地域の相談窓口に相談してください。
「元気がない」は見逃しやすい変化
「元気がない」という変化は、発熱や痛みのようにはっきり見える症状ではありません。
そのため、家族も、
- 気のせいかな
- たまたま疲れているだけかな
- 年齢的に仕方ないのかな
と思いやすいものです。
でも、いつもより声に力がない、表情が少ない、食事量が減っている、動くのがつらそうに見えるなどの変化は、体調や生活の変化に気づくきっかけになることがあります。
大切なのは、すぐに原因を決めつけることではありません。
「少し違うかも」と感じた時に、食事・水分・体調・薬・会話・生活の様子を落ち着いて確認していくことです。
家族がまず確認したい5つのこと
① 食事と水分はとれているか
まず確認したいのは、食事と水分です。
最近、食べる量が減っていないか。
好きだったものを残すようになっていないか。
水分をとる量が減っていないか。
食事量や水分量が少ない状態が続くと、体力が落ちやすくなります。特に水分が少ない時は、脱水にも注意が必要です。
ここでは原因を決めつけようとせず、まずは「食べられているか」「飲めているか」を確認しましょう。
② 熱・痛み・息苦しさなど体調の変化はないか
次に確認したいのは、体調の変化です。
体調が悪くても「大丈夫」と言ったり、痛みやつらさを我慢していたりすることがあります。
たとえば、次のような変化はありませんか?
- 発熱がある
- 咳が増えた
- 息苦しそう
- 胸やお腹の痛みがある
- 吐き気や下痢がある
- 立ち上がる時にふらつく
- 転んだあとから元気がない
特に、息苦しさ、強い痛み、意識がぼんやりしている、急に歩けないなどがある時は、すぐに医療機関へ相談しましょう。
③ 薬が変わっていないか
薬の変化も、元気のなさに関係することがあります。
薬が増えたあとや変更になったあとに、眠気、ふらつき、食欲低下、便秘などが出ることがあります。
確認したいのは、次のようなことです。
- 最近、薬が増えたか
- 薬を変えたあとから元気がないか
- 飲み忘れや飲み間違いがないか
- お薬手帳が複数に分かれていないか
お薬手帳が分かれていると、別々の医療機関で出された薬をまとめて確認しにくくなることがあります。
ここで大切なのは、家族の判断で薬をやめたり、量を減らしたりしないことです。
気になる変化がある時は、お薬手帳を持って、医師や薬剤師に相談しましょう。
④ 会話や表情がいつもと違わないか
元気がない時は、会話や表情にも変化が出ることがあります。
たとえば、
- 電話の声にハリがない
- 返事が少ない
- 表情がぼんやりしている
- 同じ話が増えた
- いつもより怒りっぽい
- 話の内容がかみ合いにくい
- 身だしなみを気にしなくなった
こうした変化は、疲れや気分の落ち込みだけでなく、体調不良や認知機能の変化が関係していることもあります。
ただし、家族だけで「認知症かも」と決めつける必要はありません。
大切なのは、ふだんの様子と比べて、変化が続いていないかを見ることです。
⑤ 生活リズムや外出が減っていないか
生活の変化も、元気のなさにつながります。
最近、外出が減っていないか。
一日中座っている時間が増えていないか。
人と話す機会が減っていないか。
昼夜逆転していないか。
活動量が減ると、食欲や筋力が落ちやすくなり、体を動かすことが負担に感じられることがあります。
無理に外へ連れ出す必要はありません。
まずは、生活の中で変わったことがないかを見ていきましょう。
家族ができる小さな関わり方
元気がない様子を見ると、家族としては心配で、つい質問を重ねたくなるかもしれません。
でも、いきなり
「なんで元気ないの?」
「ちゃんと食べてるの?」
と聞くと、ご本人が責められているように感じることもあります。
まずは、やわらかく声をかけてみましょう。
- 最近、疲れやすくない?
- ごはんは食べられてる?
- どこか痛いところはない?
- 少し気になるから、一度相談してみようか
まずは、責めずに様子を聞くこと。
そして、気になる変化が続く時は、早めに相談することが大切です。
早めに相談したいサイン
次のような時は、早めに医療機関へ相談しましょう。
- 元気がない状態が数日以上続く
- 水分があまりとれていない
- 食事がほとんどとれていない
- ぐったりしている
- 発熱がある
- 息苦しそう
- 強い痛みがある
- 意識がぼんやりしている
- 急に歩けない、立てない
- ろれつが回らない
- 片側の手足に力が入りにくい
- 転んだあとから元気がない
- いつもと様子が明らかに違う
特に、意識がぼんやりしている、息苦しい、ろれつが回らない、片側の手足に力が入りにくい、急に歩けないなどの変化がある時は、様子を見ずに急いで医療機関や119番へ相談しましょう。
受診するほどか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
かかりつけ医に連絡がつかない時や、救急車を呼ぶか迷う時は、地域によっては救急安心センター(#7119)で相談できます。対応していない地域もあるため、お住まいの自治体の相談窓口も確認しておくと安心です。
まとめ
元気がない時は、まず次のことを確認してみましょう。
- 食事と水分はとれているか
- 熱・痛み・息苦しさなど体調の変化はないか
- 薬が変わっていないか
- 会話や表情がいつもと違わないか
- 生活リズムや外出が減っていないか
「元気がない」は、はっきりした症状ではないからこそ、家族も迷いやすい変化です。
でも、ふだんと違う様子が続く時は、体調不良や生活の変化が隠れていることがあります。
大切なご家族が、これからも安心して暮らせるように。
「年のせいかな」で終わらせず、小さな変化に気づくきっかけにしていきましょう。
関連記事もあわせて確認
「元気がない」と感じる時は、ひとつの原因だけでなく、いくつかの変化が重なっていることがあります。
気になる内容がある場合は、次の記事もあわせて確認してみてください。
親の暮らし全体が心配な時:離れて暮らす親が心配なときにできること
食事の準備や栄養が心配な時:高齢の親に宅配食を選ぶときのポイント
- 水分がとれていない時:隠れ脱水の記事
- 食欲が落ちている時:食欲低下の記事
- 薬が増えた・変わった時:薬の記事
- ふらつきや転倒がある時:転倒の記事
- 外出や活動量が減った時:フレイルの記事
- 会話や生活の変化が気になる時:認知症サインの記事
詳しい内容は、それぞれの記事でやさしくまとめています。気になる変化がある時は、あわせて確認してみてください。


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