離れて暮らす親の食事量が減った。
転ぶことが増えた。
薬を飲み忘れているように見える。
気になる変化があっても、「まだ介護が必要と決まったわけではない」「どこに相談すればいいのかわからない」と、家族だけで抱え込んでしまうことがあります。
病棟では、親が入院して初めて「もっと早く相談先を知っておけばよかった」と戸惑うご家族を見かけます。
だからこそ、親が少し弱ってきたかもしれないと感じた時から、相談できる窓口を知っておくことが大切です。
地域包括支援センターは、親本人や家族が、暮らし・健康・介護について相談できる窓口です。
※この記事は一般的な情報です。急な症状や病気が疑われる時は、医療機関へ相談してください。
親が少し弱ってきた時、どこに相談すればいい?
地域包括支援センターという名前を、初めて聞く家族も少なくありません。
「介護保険の認定を受けてから行く所」
「もう一人で暮らせなくなった人が相談する所」
と思われがちですが、そうではありません。
「最近少し元気がない」
「一人暮らしを続けられるか心配」
「何を頼めばいいかわからない」
このような段階から相談して大丈夫です。
相談しただけで、すぐに介護サービスの利用が決まるわけではありません。今の困りごとを整理し、これからどんな備えができるかを一緒に考える入口になります。
親にこんな変化があれば、早めに相談を考えよう
次のような変化が続く時は、早めに相談先を知っておくと安心です。
- 食事量が減り、痩せてきた
- 転びやすい、歩くのが遅くなった
- 外出や人と会う回数が減った
- 薬の飲み忘れや残薬が増えた
- 同じ話が増え、金銭管理や片付けが心配になった
- 電話だけでは様子がわかりにくくなった
- 家族だけで見守り続けることに負担を感じている
一つの変化だけですぐに介護が必要という意味ではありません。ただ、以前と違う状態が続く、複数の変化が重なっている時は、家族だけで判断せず相談してみましょう。
- 高齢の親の元気がない時|家族が確認したい体調・食事・会話の変化
- 高齢の親が痩せてきた|家族が確認したい原因と受診の目安
- 高齢の親が転びやすくなった?家族が確認したい5つのこと
- 親の薬が増えてきたら|家族が確認したいことと相談の目安
- 認知症かも?と思った時に見る生活の変化
地域包括支援センターで親や家族が相談できること
地域包括支援センターでは、次のような相談ができます。
- 親の生活や体調の変化を、どこに相談すればよいか
- 介護保険の申請を考える目安
- 見守り、配食、通所など地域の支援情報
- 受診、薬、認知症についての心配
- 家族の見守りや介護の負担
- 必要に応じた専門職や関係機関への橋渡し
「何を頼めばいいかわからない」と伝えても大丈夫です。
まずは、「親が一人暮らしを続けられるか心配です」「最近このような変化があります」と話してみましょう。今すぐ必要なことと、これから準備できることを整理しやすくなります。
地域包括支援センターは、親が住んでいる市区町村の窓口一覧から探せます。遠方に住む家族でも、親の暮らす地域のセンターへ相談できます。
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」でも、地域包括支援センターを都道府県から検索できます。
相談前に家族がメモしておくとよいこと
完璧に準備できていなくても、相談して大丈夫です。
次の内容をメモしておくと、親の状況が伝わりやすくなります。
- いつ頃から、どのような変化があったか
- 食事・水分・睡眠・排泄・転倒・薬の様子
- かかりつけ医や通院先
- 服用中の薬、お薬手帳の有無
- 親が困っていること
- 家族が困っていること、不安に感じていること
- 「できれば今の家で暮らし続けたい」など本人の希望
「遠方で頻繁に行けない」
「仕事や子育てがあり、毎日は対応できない」
という家族の事情も、大切な相談内容です。無理を重ねず、続けられる見守り方を一緒に考えるために伝えましょう。
親にどう切り出す?責めない伝え方
支援の話をする時、「一人では無理」と言われたように感じると、親は抵抗を感じることがあります。
できないことを責めるのではなく、これからも今の暮らしを続けるための準備として伝えてみましょう。
- ×「もう一人では無理やろ」
○「これからも家で安心して暮らせるように、相談先を知っておきたいな」 - ×「介護保険を使いなさい」
○「困った時に頼れる場所があるか、一緒に聞いてみよか」 - ×「最近おかしいんじゃない?」
○「最近、食事や薬のことが少し気になっていて。私も安心したいから話を聞いてみたいな」
支援を受けることは、自立をあきらめることではありません。親らしい暮らしを、できるだけ長く続けるための準備です。
急な症状は地域包括支援センターを待たない
地域包括支援センターは、日頃の暮らしや介護の相談窓口です。
胸の痛み、強い息苦しさ、意識が普段と違う、ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくいなど、急を要する症状がある時は、地域包括支援センターを待たずに119番を考えてください。
救急相談窓口の#7119は、対応している地域に限られます。
救急車を呼ぶか迷ったら|家族が知っておきたい119・#7119の使い方
まとめ
親が入院してから初めて相談先を探す前に、「少し弱ってきたかもしれない」と感じた時から、地域包括支援センターという選択肢を知っておきましょう。
早めの相談は、親の自立をあきらめることではありません。これまでの暮らしをできるだけ続けるために、家族だけで抱え込まず、頼れる先を増やしておく準備です。


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