一人暮らしの高齢の親が食事を作らなくなったとき|家族が確認したいこと

一人暮らしの高齢の親が食事を作らなくなったとき|家族が確認したいこと 高齢の親の見守り

離れて暮らす高齢の親と話した時に、「最近は料理をしていない」「パンやお弁当で済ませている」と聞くと、家族は心配になるかもしれません。

ただ、料理をしなくなったことだけで、すぐに認知症や介護が必要と決めつけることはできません。買い物が大変、台所に立つと疲れる、献立を考えるのが面倒、食欲がわかないなど、負担になっているところは人によって違います。

まず確認したいのは、「なぜ作らないのか」と問い詰めることではなく、食事がとれているか、買い物・調理・片づけのどこに困っているかです。

この記事では、自立して一人暮らしを続ける高齢の親と離れて暮らす家族が、親を責めずに確認したいことと、食事を支える方法の選び方をまとめます。

※この記事は一般的な情報であり、病気の診断や治療を目的とするものではありません。食事や水分がほとんどとれない、ぐったりしている、受け答えがいつもと違うなどの変化がある時は、早めに医療機関へ相談してください。命に関わる心配がある時は119番です。

料理をしなくなっただけで、認知症とは限らない

以前は毎日のように料理をしていた親が作らなくなると、「認知症の始まりでは」と心配になることがあります。

認知機能の変化が関係する場合もありますが、料理をしなくなる理由はひとつではありません。

  • 買い物に行くのが負担になった
  • 長く立つと腰や膝がつらい
  • 手指の痛みがあり、包丁や重い鍋を使いにくい
  • 暑さや疲れで、火を使う調理を避けている
  • 一人分の献立を考えるのが面倒になった
  • 食欲がなく、作っても食べきれない
  • 歯や入れ歯、飲み込みに不安がある
  • 気分の落ち込みや生活リズムの変化がある

料理の手順が分からなくなった、同じ食品を何度も買う、火の消し忘れがあるなど、ほかの生活上の変化も重なっている時は、家族だけで判断せず、かかりつけ医や地域の相談窓口へ相談しましょう。

まず親と一緒に確認したいこと

料理をしていなくても、総菜や冷凍食品などを使い、自分に合う方法で食事を続けていることがあります。「手作りしているか」ではなく、今の食事で困っていないかを確認しましょう。

  • 1日のおおよその食事回数と量
  • 以前より体重が減っていないか
  • 同じ食品だけに偏っていないか
  • 買い物、献立、調理、片づけのどこが負担か
  • 冷蔵庫に食べきれない食品や古い食品が増えていないか
  • 電子レンジなどを無理なく使えるか
  • 噛みにくさ、むせ、飲み込みにくさがないか
  • 医師から食事について指示を受けていないか

体重の数字が分からない時は、服やベルトがゆるくなっていないか、以前より顔や腕が細く見えないかも変化に気づくきっかけになります。

食事量の減少が気になる時は、高齢の親の食欲が落ちた時|家族が確認したいこと・相談の目安も参考にしてください。

離れて暮らす家族は、普段の会話や訪問で確かめる

心配になると、「今日、何を食べた?」「ちゃんと作った?」と毎回確認したくなるかもしれません。しかし、質問が続くと、親は責められているように感じることがあります。

普段の会話の中で、少しずつ聞いてみましょう。

  • 「最近、よく食べているものは何?」
  • 「買い物と料理なら、どちらが大変?」
  • 「台所に立っていて、痛いところはない?」
  • 「今度、一緒に食べやすいものを探してみようか」

訪問した時に冷蔵庫や台所の様子を見る場合も、親に一声かけてからにします。一緒に買い物や食事をすると、電話だけでは分かりにくい食事量や食べにくさを自然に確認できます。

目指したいのは、家族が毎食を管理することではありません。親が負担に感じにくく、家族も無理なく続けられる確認方法を一緒に決めることです。

食事を支える方法は、宅配食だけではない

料理をする回数が減っても、すぐに家族が毎日の食事を作る必要はありません。親の困りごとに合わせて、続けやすい方法を組み合わせます。

  • スーパーやコンビニの総菜を利用する
  • 冷凍食品やレトルト食品を常備する
  • 包丁や火を使わずに準備できる食品を選ぶ
  • 家族が無理のない範囲で時々届ける
  • 地域の配食サービスを確認する
  • 民間の宅配食を数食だけ試す

「手作りでなければだめ」と考えると、親にも家族にも負担がかかります。総菜や宅配食を使いながら、汁物や果物などを無理のない範囲で組み合わせる方法もあります。

地域によっては、高齢者向けの配食や安否確認を兼ねたサービスがあります。対象者や利用条件は自治体によって異なるため、お住まいの自治体や地域包括支援センターへ確認してください。

宅配食を試すなら、親と一緒に選ぶ

買い物や調理の負担を減らしたい時、宅配食は選択肢のひとつになります。ただし、家族がよいと思ったサービスでも、量や味、受け取り方が親に合わなければ続きません。

申し込む前に、次の点を親と一緒に確認しましょう。

  • 食べきれる量か
  • 味や、食べ物のやわらかさが合うか
  • 冷蔵または冷凍で保管できるか
  • 電子レンジで無理なく準備できるか
  • 配達の受け取りが負担にならないか
  • 注文回数や休止・解約の条件が分かりやすいか
  • 食事制限がある場合、必要な栄養成分を確認できるか

最初から定期購入にせず、少ない食数で味や量、準備のしやすさを確かめると安心です。食事制限がある方は、利用前に主治医や管理栄養士へ相談してください。

宅配食の種類や選び方は、高齢の親に宅配食を選ぶときのポイント|食事が心配な家族へで詳しく紹介しています。

なお、宅配食を用意しても食欲がない、むせて食べにくい、食品が手つかずのまま残る場合は、宅配食だけで解決しようとせず、原因を確認することが大切です。

医療機関や地域の窓口へ相談したい目安

次のような時は、かかりつけ医や医療機関へ相談しましょう。

  • 食事量が減った状態が続いている
  • 短期間で体重が減っている
  • むせや飲み込みにくさが増えた
  • 吐き気、下痢、発熱、痛みなどがある
  • 元気がなく、普段の生活にも変化が出ている

食事や水分がほとんどとれない、ぐったりしている、受け答えがいつもと違う、息苦しそうなど、急な変化がある時は早めの対応が必要です。意識がもうろうとしている、呼吸が苦しいなど、命に関わる心配がある時は119番へ連絡してください。

食事だけでなく、買い物やごみ出しなど生活全体の困りごとが増えている場合は、地域包括支援センターにはいつ相談する?介護保険がまだ必要かわからない家族へも参考にしてください。介護保険を利用するか決まっていない段階でも、地域で使える支援について相談できます。

食事中や食後のむせが気になる時は、一人暮らしの高齢の親の飲み込みが心配なときもあわせて確認してください。

まとめ

一人暮らしの高齢の親が料理をしなくなった時は、作るように求める前に、今の食事と困りごとを確認することが大切です。

  • 料理をしなくなった理由をひとつに決めつけない
  • 食事量と体重の変化を確認する
  • 買い物、調理、片づけのどこが負担かを聞く
  • 総菜、冷凍食品、地域の配食、宅配食などを組み合わせる
  • 親に無断で決めず、続けやすい方法を一緒に選ぶ

料理の回数が減っても、それだけで自立した生活が続けられないとは限りません。親が大切にしている暮らしを聞きながら、食事の負担を少し減らせる方法を一緒に考えていきましょう。

参考情報

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