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高齢の親の食欲が落ちたとき|まず見たいことと受診の目安

高齢の親の食欲が落ちた時に、家族が食事を見守るイメージ 高齢の親の見守り

離れて暮らす高齢の親から、「最近、あまり食べられない」「好きだった物も残すようになった」と聞くと、家族は心配になるかもしれません。

ただ、食べる量が減ったことだけで、原因を一つに決めることはできません。体調だけでなく、口や入れ歯、飲み込み、お腹の調子、薬、買い物や料理の負担などが関係していることもあります。

まずは、水分が取れているか、いつから食欲が落ちているかを見てみましょう。そのうえで、「食べたくない」のか、「食べにくい」のかを分けると、次に相談する相手を考えやすくなります。

※この記事は一般的な情報であり、診断や治療を行うものではありません。急な意識の異常や強い息苦しさがある時は、すぐ119番へ連絡してください。急に食べられなくなった、水分をほとんど取れない時も、食事の工夫だけで様子を見続けず、医療機関へ速やかに相談してください。

まず、水分が取れているかを見る

食欲が落ちている時は、食事の量だけでなく、水分が取れているかも大切です。

お茶や水だけでなく、汁物、ゼリー、果物などから水分を取っていることもあります。電話で聞く時は、「水分を取った?」だけでなく、「今日は何を飲んだ?」と尋ねると、普段の様子が分かりやすくなります。

急に意識がぼんやりした、呼びかけへの反応が悪い、強い息苦しさや突然の強い胸の痛みがある時は、すぐ119番へ連絡してください。

それ以外でも、次のような時は医療機関へ速やかに相談してください。

  • 水分をほとんど取れない
  • 何度も吐いている
  • ぐったりして、起きていられない
  • 尿が極端に少ない

意識がはっきりしない時や飲み込めない時は、無理に飲ませたり食べさせたりしないでください。

救急車を呼ぶか迷う時は、実施地域の#7119など、地域の救急相談窓口を利用できます。

119番や#7119の使い分けを普段から確認しておきたい方は、救急車を呼ぶか迷ったら|119・#7119の使い方をご覧ください。

食欲が落ちたのは、いつから?

同じ「食べられない」でも、今日になって急に始まった場合と、数日以上続いている場合では、家族が伝えたい内容が変わります。

次のことを簡単にメモしておくと、医療機関へ相談する時にも役立ちます。

  • いつから食べる量が減ったか
  • 何なら食べられたか
  • 水分はどのくらい取れているか
  • 発熱、痛み、吐き気、下痢、便秘などはないか
  • 薬が新しく増えたり、変わったりしていないか
  • 以前より痩せて見えないか

一時的に食べる量が減っても、水分が取れ、普段どおり会話ができ、少しずつ戻っていることもあります。

一方で、食欲低下が続く、体重が減ってきた、元気がなくなってきた場合は、「年のせい」と決めつけず、かかりつけ医などへ相談すると安心です。

「食べたくない」と「食べにくい」を分けて考える

本人は「食欲がない」と話していても、実際には食べにくさが隠れていることがあります。

たとえば、次のような様子がないか見てみましょう。

  • 入れ歯が痛い、外れやすい
  • 硬い物を避け、柔らかい物ばかり選ぶ
  • 食事中や食後にむせる
  • 食後に声がかすれる、痰が増える
  • 食事を目の前にしても、なかなか食べ始めない
  • 食べ始めても、途中で疲れて箸が止まる

柔らかい物ばかり選ぶ時は、入れ歯が合わないサインと歯科に相談する目安で、口の中の見方をまとめています。

むせや食後の声が気になる時は、むせない誤嚥と誤嚥性肺炎のサインも確認してみましょう。

食べたい気持ちはありそうなのに食事が進まない時は、食事に手をつけないとき|電話と訪問でできることが参考になります。

家族が見ておきたい5つのこと

1.水分

飲んだ物とおおよその量や回数を聞きます。水分を取れない、ぐったりしている時は、医療機関へ速やかに相談してください。意識や反応に異常がある時は119番へ連絡します。

2.食事量と食べられた物

「何割食べたか」を細かく管理するより、いつもの半分ほどか、ほとんど食べていないかなど、普段との違いを見ます。

3.体重や見た目

ベルトが緩くなった、服が大きく見える、頬が痩せたなどの変化も手がかりになります。体重減少が気になる時は、高齢の親が痩せてきたとき|体重の記録と受診の目安で詳しくまとめています。

4.口・入れ歯・飲み込み

痛み、むせ、食後の声、食べるのにかかる時間などを見ます。無理に食事の硬さを変えず、気になる変化があれば歯科や医療機関へ相談します。

5.お腹・薬・体調

便秘や腹部の張り、吐き気、発熱、痛み、薬の変更なども食欲に関係することがあります。

便秘と食欲低下が一緒に気になる時は、離れて暮らす高齢の親の便秘にどう気づく?で、電話での聞き方と相談の目安をまとめています。

薬は、家族の判断で中止したり減らしたりしないことが大切です。薬の種類や飲み方が気になる時は、処方した医師や薬剤師へ相談しましょう。

無理に食べさせず、食べやすい方法を一緒に探す

心配な気持ちが強いと、「もっと食べて」「全部食べないと元気にならないよ」と言いたくなるかもしれません。

ただ、強く勧められることが負担になり、食事の時間がつらくなることもあります。

まずは、本人の希望を聞きながら、できることを一つ試してみましょう。

  • 一度にたくさん出さず、少量にする
  • 食べやすい時間帯を選ぶ
  • 好きな物や食べやすい物を少し取り入れる
  • 落ち着いて食べられる環境にする
  • 買い物や料理のどこが負担かを聞く

料理や買い物そのものが負担になっている時は、一人暮らしの高齢の親が食事を作らなくなったときで、生活のどこに困っているかを整理しています。

買い物や調理の負担を減らすために宅配食を使う場合は、本人と一緒に選びましょう。高齢の親に宅配食を選ぶときのポイントで、味や量、受け取り・温め、費用の確かめ方を紹介しています。

治療中の病気や食事制限、飲み込みの問題がある場合は、商品を選ぶ前に、主治医や管理栄養士などへ相談してください。

医療機関へ相談したい目安

水分や食事をほとんど取れない時は、医療機関へ速やかに相談してください。それ以外でも、次のような変化がある場合は、かかりつけ医などへ相談しましょう。

  • 食欲低下が数日続いている
  • 体重が減ってきた
  • 発熱、痛み、吐き気、下痢、便秘などがある
  • むせや咳が増えた
  • 薬が変わってから食べられなくなった
  • 元気がなく、横になっている時間が増えた
  • もの忘れや会話の変化も気になる

食欲だけでなく、体重、歩き方、外出などの変化も数週から数か月続いている時は、フレイルのサインと相談先も一緒に見てみましょう。

まとめ|まずは水分と、いつから続いているかを見る

高齢の親の食欲が落ちた時は、まず水分が取れているかを見ます。次に、いつから食べる量が減り、何なら食べられているかを整理してみましょう。

「食べたくない」と「食べにくい」を分けると、口や入れ歯、飲み込み、食事環境など、次に見たいことが分かりやすくなります。

無理に食べさせる必要はありません。水分が取れ、意識や受け答えが普段どおりであれば、本人の希望を聞きながら食べやすい方法を考えてみましょう。食欲低下が続く時は、家族だけで抱え込まず、かかりつけ医などへ相談してください。

参考情報

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