離れて暮らす親に「宅配のお弁当を頼んでみない?」と勧めたら、「自分で作れるからいらない」「お金がもったいない」と断られた。
買い物や料理が大変そうで心配していたのに、次にどう話せばよいか迷うこともあるでしょう。
そんな時は、すぐに別のサービスを勧めなくても大丈夫です。
まずは、今の食事をどう用意しているか、宅配食のどんなところが気になるかを聞いてみましょう。
宅配食を使いたくないことと、食事がとれていないことは別です。自分で料理をしたり、総菜を買ったりして、無理なく食べられている場合もあります。
この記事では、宅配食を嫌がられた時の声かけと、使う場合も使わない場合も、食事の用意を一緒に考える方法を紹介します。
宅配食を勧める前に、今の食事で困っていることを聞く
買い物に行く回数が減った、料理をするのが大変そう。そんな様子があると、家族は「食事を届けてもらえたら助かるのでは」と考えるかもしれません。
ただ、本人がどこで困っているのかは、話を聞くまで分からないこともあります。
普段の電話などで、まずは今の食事について聞いてみましょう。
「最近、ごはんはどうやって用意してる?」
「買い物や料理で、大変なところはある?」
「重い荷物を持って帰るのがつらい」と話すなら、買い物だけを手伝う方法もあります。「料理は好きだけれど、毎日作ると疲れる」という場合は、料理を休みたい日の食事を一緒に考えられます。
すでに総菜や冷凍食品などを使っているなら、今の方法で困っていることがないか聞いてみてください。
本人ができていることまで、家族が変えようとする必要はありません。
買い物から片づけまで、どこが負担かを確かめる方法は、一人暮らしの高齢の親が食事を作らなくなったとき|家族が確認したいことにもまとめています。
「使いたくない」と言われたら、理由を聞いてみる
宅配食を断られた時は、便利さや栄養の話を重ねる前に、使いたくない理由を聞いてみましょう。
「この前の宅配のお弁当、どうして使いたくないのか聞いてもいい?」
理由を話してくれたら、途中で「でも便利だよ」と勧め直さず、まずは最後まで聞いてみてください。
たとえば、「自分で料理をしたい」と話してくれたら、
「料理は自分で続けたいんだね」
と、聞いたことをそのまま返すだけでもよいでしょう。
理由が分からない時は、献立の写真や配達の案内を見ながら話す方法もあります。
「味が合うか気になる?」
返事を聞いてから、必要なら費用や受け取りについて尋ねます。一度にいくつも質問しなくてもかまいません。
「まだ必要ない」と言われたら、本人は今の食事の用意に困っていないのかもしれません。家族が心配していることも、実際に聞いた話や見た様子から伝えましょう。
たとえば、親から「夕食を作るのが大変で、パンだけの日が増えた」と聞いていたなら、
「夕食を作るのが大変って聞いて、気になっていたんだ。料理を休みたい日は、何を用意しておくとよさそう?」
と話せます。
「もう高齢だから頼んだ方がいい」と年齢だけで勧めるより、本人が困っている場面について一緒に考えてみましょう。
今日は話したくないと言われたら、その日はそこで終えても大丈夫です。
「自分で料理したい」と言われたら、何を手伝ってほしいか聞く
本人が料理を続けたいと思っているなら、買い物や片づけなどで、手伝ってほしいことがあるか聞いてみましょう。
「料理は続けたいんだね。買い物や片づけで、手伝ってほしいことはある?」
食事の用意を、すべて宅配食に替える必要はありません。
- 重い米や飲み物だけ、家族や配達に頼む
- 料理が大変な日のために、使いやすい総菜などを用意する
- 本人が希望するなら、料理を休む日だけ宅配食を使う
といった方法も考えられます。
ただし、宅配食を頼める食数や曜日、配達の間隔はサービスによって異なります。希望する使い方ができるかは、申し込む前に確認してください。
料理は本人が続け、重いものの買い物は家族が手伝うなど、誰が何をするかを一緒に話してみましょう。
味・費用・受け取りが気になる時は、一つずつ確認する
「おいしくなさそう」と言われたら
献立や料理の写真を見ながら、本人の好みを聞いてみましょう。
「どんなおかずがあるか、一緒に見てみる? 食べてみたいものがなければ、ほかの方法を考えよう」
写真だけでは、実際の味や量までは分かりません。少ない食数で注文できるサービスなら、本人が試してみたいかを聞く方法もあります。
家族が先に申し込むのではなく、「食べてみようかな」と思えるかを本人に確かめましょう。
「お金がもったいない」と言われたら
毎月の費用が気になるのか、今の食事より高くなることが気になるのかを聞いてみます。
「毎月いくらかかるかが気になる? 送料やご飯代も合わせて、一緒に見てみようか」
1食の価格だけでなく、送料、ご飯が別に必要か、注文する回数なども確認しましょう。
家族が支払う場合も、「私が払うから大丈夫」と話を終えるのではなく、いくらなら無理なく続けられるかを相談します。
少量の注文やお試しを利用する場合は、1回だけの注文なのか、定期的に届くのか、変更や休止にどんな手続きが必要かも確認してください。
「配達を待つのが面倒」「温めるのが大変」と言われたら
配達のために外出を控えなければならない、容器を開けたり電子レンジで温めたりするのが負担。そんなことが気になっている場合もあります。
「配達を待つのが大変? 今の外出の時間に合うか、確認してみようか」
「温めるところで困りそう? どんな準備が必要か、一緒に見てみようか」
受け取り方や、食べるまでに必要な作業はサービスごとに違います。説明だけで分かりにくい時は、本人が希望すれば、実物を一緒に準備して確かめる方法もあります。
本人が「少し見てみたい」と話したら、高齢の親に宅配食を選ぶときのポイント|食事が心配な家族へも参考にしてください。冷凍・冷蔵の違い、受け取りや温め、送料を含む費用を比べるポイントを紹介しています。
宅配食を使わない時は、料理が大変な日に何を食べるか相談する
話したあとで「今は宅配食を使わない」と決めた場合も、料理が大変な日の食事については相談できます。
「今は頼まなくていいよ。料理が大変な日は、何を用意しておこうか」
全部を一度に決めなくてもかまいません。話せるところから、次のことを相談してみましょう。
- 料理を休みたい日は、何を食べるか
- 買い物が大変な時は、誰に頼めるか
- 家族が手伝う場合は、何をどのくらい手伝えるか
- 今の方法が大変になったら、誰に相談するか
本人に知らせず宅配食を注文したり、定期契約をしたりするのは避け、使い始めるかどうかを一緒に決めましょう。
食事の用意が難しく、家族の手伝いだけでは続けにくい時は、本人の住む地域の地域包括支援センターなどへ相談する方法もあります。
一方で、食べる量が少ない日が続く、体重が減ってきた、噛みにくい・飲み込みにくいなどの変化がある場合は、宅配食を使いたがらないことだけの問題として考えず、かかりつけ医や歯科医師へ相談してください。
食事を前にしても手が止まる、食事そのものを避ける様子がある時は、離れて暮らす高齢の親が食事に手をつけないとき|電話と訪問でできることにも、家族が確認したいことをまとめています。
まとめ|宅配食を嫌がられたら、理由と手伝ってほしいことを聞く
高齢の親が宅配食を嫌がった時は、すぐに勧め直す前に、
- 今の食事をどう用意しているか聞く
- 宅配食を使いたくない理由を聞く
- 買い物や料理で、何を手伝ってほしいか聞く
という順番で話してみましょう。
宅配食を頼むことだけが答えではありません。買い物だけを手伝う、総菜を取り入れるなど、本人の暮らしに合う方法もあります。
まずは「最近、ごはんはどうやって用意してる?」と聞くところから始めてみてください。
食べる量や買い物、料理など、ほかにも気になることがある方は、高齢の親の食事が心配なとき|悩み別の記事案内から、今の心配に近い記事を選べます。
参考情報
参考情報は2026年10月9日に確認しました。声かけは会話の例です。本人の返事を聞きながら、話す内容やタイミングを調整してください。


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