高齢の親が見守りサービスを嫌がるとき|無理に勧めず、一緒に考える話し方

見守りサービスを嫌がる高齢の親と、娘が落ち着いて話し合うイラスト 高齢の親の見守り

離れて暮らす親に見守りサービスを勧めたら、「監視されるみたいで嫌だ」「まだ必要ない」と断られた。

心配だから勧めたのに、どう話せばよいか分からなくなることもあるでしょう。

見守りサービスを嫌がられた時は、すぐに勧め直さなくても大丈夫です。

まずは、

  • どんなところが嫌なのかを聞く
  • 家族が実際に心配した出来事を伝える
  • 使う場合も使わない場合も、続けられる方法を一緒に考える

という順番で話してみましょう。

その日に申し込むかどうかを決める必要はありません。

まずは「どんなところが嫌だった?」と聞いてみる

「使いたくない」と言われた時は、サービスの便利さを説明する前に、理由を聞いてみましょう。

「この前の見守りサービス、どんなところが嫌だった? 今、少し話してもいい?」

理由を話してくれたら、途中で「でも便利だよ」と説得せず、まずは最後まで聞いてみてください。

たとえば、

「部屋を見られる感じが嫌なんだね」

と、聞いた内容をそのまま返すだけでもよいでしょう。

答えにくそうな時は、機器の写真などを見ながら、

「部屋が映るのが嫌? それとも操作が難しそう?」

と、一つずつ聞く方法もあります。

一度にいくつも質問せず、返事を待ちましょう。

「今日は話したくない」と言われたら、その日はそこで終えても大丈夫です。

「使わないと家族が困る」「みんな使っているよ」と押すより、まず本人が何を嫌だと感じているのかを知ることが大切です。

家族が心配した出来事を伝える

本人の話を聞いたあとで、家族が心配していることを伝えてみましょう。

その時は、

「一人暮らしだから心配」
「もう高齢だから心配」

だけではなく、実際にあった出来事を一つ伝えると話しやすくなります。

たとえば、約束した時間に電話がつながらなかったことがあれば、

「この前、電話がつながらなくて心配したんだ。出かけているのか、家で具合が悪くなったのか分からなかったから。次に電話に出られない時は、どうしようか」

と伝えられます。

家族の気持ちを伝えたら、本人の希望も聞いてみましょう。

「今の電話の回数は多い?」

「困った時は、誰に連絡したい?」

毎日の電話を負担に感じているなら、回数や時間を変える方法もあります。

見守りサービスを使うかどうかだけではなく、普段の連絡の取り方も一緒に考えてみましょう。

言い合いになりそうな時は、その場で結論を出さず、日を改めてもかまいません。

兄弟姉妹がいる場合も、それぞれが繰り返し勧めるのではなく、誰が本人と話すのかを相談しておくとよいでしょう。

使いたくない理由に合わせて、話してみる

「部屋を見られたくない」と言われたら

カメラが嫌だと言われたら、映像を使わない見守り方法もあります。

「部屋が映るのは嫌なんだね。カメラを使わない方法もあるけれど、その話は聞いてみたい?」

室内の動きや家電の使用状況などを家族へ知らせる機器もあります。

ただし、カメラがなくても、生活の様子を家族に知られること自体が嫌な人もいます。

どんな情報が誰に届くのかを説明し、本人が使ってもよいと思えるかを聞きましょう。

本人に知らせずに機器を設置せず、了承を得てから使い始めてください。

使いたいと思えるものがなければ、電話や訪問で様子を確認する方法もあります。

「お金がもったいない」と言われたら

費用が理由なら、

「毎月お金がかかるのが気になる? 全部でいくらくらいになるか一緒に見てみようか」

と確認してみましょう。

主に確認したいのは、次の費用です。

  • 機器の購入費や設置費
  • 毎月の利用料金
  • 緊急時の駆けつけなどにかかる費用
  • 解約する時にかかる費用

サービスによって料金の仕組みは違います。

家族が支払う場合も、「家族が払うから大丈夫」と決めるのではなく、月々いくらまでなら続けられるのかを話しておきましょう。

無料のお試しがある場合は、いつから料金がかかるのか、やめる時にどんな手続きが必要なのかも確認してください。

「操作が難しそう」「毎日の連絡が面倒」と言われたら

機器を使うために何をしなければならないのか、一緒に見てみましょう。

「どんな操作が必要か、一緒に見てみようか。難しそうなら、ほかの方法を考えよう」

サービスによって、

  • ボタンを押す
  • 充電する
  • 電話に出る
  • 機器を身につける

など、必要な操作は異なります。

本人が操作しなくても使える機器もありますが、家族による設定や、自宅のインターネット回線が必要な場合もあります。

申し込む前に、

  • 誰が設置や設定をするのか
  • 故障した時はどこへ連絡するのか

も確認しておきましょう。

毎日の電話を面倒に感じているなら、何曜日の何時ごろに連絡するかを相談して、本人にも家族にも負担の少ない回数にします。

「まだ必要ない」と言われたら

本人が「今は必要ない」と思っているなら、無理に申し込みへ進めなくても大丈夫です。

その代わり、

「今は使わなくていいよ。電話がつながらなくて心配な時は、誰に連絡してもいい?」

と、連絡が取れない時のことだけでも相談してみましょう。

「いつか倒れるかもしれない」と怖がらせて勧める必要はありません。

今は使わないと決めても、暮らしの中で困ることが増えた時に、あらためて考えることはできます。

見守りサービスを使う前に、家族で決めておきたいこと

本人が「使ってみてもいい」と思えるサービスが見つかったら、申し込む前に家族で確認しておきたいことがあります。

話しておくこと 具体的に決めること
家族に届く情報 部屋の映像、室内の動き、居場所など、何が分かるのか
本人の希望 どこまでなら見守られてもよいか、嫌になった時にどうするか
情報を見る人 誰が見るのか、兄弟姉妹にも共有するのか
通知が届いた時の連絡 誰が本人に電話するのか、出ない時は誰に連絡するのか
使い始めた後の相談 いつ使い心地を確認するのか、困った時はどこへ問い合わせるのか

サービスによって、分かる情報や通知の仕組みは異なります。

必要な情報が届くか、希望する連絡や駆けつけに対応しているかを、契約前に事業者へ確認してください。

使い始めてから、

「見られている感じがして落ち着かない」
「通知のたびに家族から電話が来て疲れる」

と感じることもあります。

使い心地を聞きながら、設定や電話の回数を変えられないか相談しましょう。

利用をやめたい場合は、解約方法や費用も確認します。

具体的なサービスを選ぶ時は、離れて暮らす親の見守りサービス|カメラなし・通報・訪問を比較も参考にしてください。

家族への通知だけなのか、人が駆けつけてくれるのかなど、サービスごとの違いを紹介しています。

見守りサービスを使わない時も、連絡が取れない場合に備える

見守りサービスを使わなくても、普段の連絡方法や、電話に出ない時の対応は決めておけます。

全部を一度に決めなくてもかまいません。

話せるところから相談してみましょう。

  • 普段の電話は、何曜日の何時ごろにするか
  • 約束した時間に電話へ出られない時は、どう知らせるか
  • 連絡が取れず心配な時は、誰に様子を見てもらうか
  • 体調のことで困った時は、どの医療機関や窓口へ相談するか

近所の人に協力を頼む場合は、住所や体調など、何を伝えてよいかを本人と相談しておきましょう。

合鍵を預けたり、家に入ってもらったりする場合も、本人の了承を得てから進めます。

電話に出ない時の対応は、一人暮らしの高齢の親が電話に出ないとき|確認する順番と相談の目安にまとめています。

転ぶことが増えた、食事や薬の管理が難しくなったなど、生活全体にも心配がある時は、地域包括支援センターへ相談する方法もあります。

「見守りサービスを勧めても断られて、家族だけではどう話せばいいか分からない」と相談してもよいでしょう。

急に強い息苦しさがある、意識がはっきりしない、呼びかけへの反応がおかしい時は、見守りサービスからの通知を待たず、119番へ連絡してください。

まとめ|見守りサービスを使うことだけが目的ではない

高齢の親が見守りサービスを嫌がった時は、すぐに勧め直さず、

  1. どんなところが嫌なのかを聞く
  2. 家族が実際に心配した出来事を伝える
  3. 使う場合も使わない場合も、続けられる方法を一緒に考える

という順番で話してみましょう。

見守りサービスを使うこと自体が目的ではありません。

本人が安心して暮らせて、家族も無理なく見守れる方法を一緒に探すことが大切です。

その日に答えを出さなくても大丈夫です。

「今は使わない」という選択をした場合も、連絡が取れない時にどうするかだけは、家族で話しておきましょう。

参考情報

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