「何かあったときに相談できる先生、いる?」
離れて暮らす親にそう聞いたとき、「特にいないよ」「病院には行っているけど、かかりつけ医ってほどではないかな」と返ってくることもありますよね。
高齢になったら、かかりつけ医を決めておいたほうがいいのかな。家族としては気になるところだと思います。
でも、最初から新しい先生を探さなくても大丈夫です。今通っている病院やクリニックに、体調が変わったときに相談できる先生がいるかもしれません。
この記事では、かかりつけ医がいないと感じているとき、どこから考えればいいのか、離れて暮らす家族が確認しておきたいことをお伝えします。
「かかりつけ医」って、どんな先生?
「ずっと同じ内科に通っている先生のこと?」と思うかもしれません。
かかりつけ医は、健康のことを相談でき、必要に応じて専門の医療機関につないでくれる身近な医師のことです。必ずしも一人に決める必要はありません。
たとえば、血圧のことは内科、目のことは眼科、膝や腰のことは整形外科。それぞれ相談している先生がいてもいいんです。
まず大切なのは、「何か困ったときに、どこへ相談するか」が分かっていること。「一人決めなきゃ」と考えるより、相談の入口を知っておくところから始めましょう。
まずは「今どこに通ってる?」から聞いてみる
本人は「かかりつけ医はいない」と思っていても、定期的に通っている医療機関があるかもしれません。
普段の会話で、「今、どこの病院に通ってる?」「体調が悪いときは、どの先生に聞いてる?」と、一つずつ聞いてみてください。
本人が話してくれる範囲で、どのくらいの間隔で通っているか、困ったときに相談しやすい先生がいるかを聞いてみてください。病名や薬のことまで、一度に聞かなくても大丈夫です。分かったことが、相談先を考える手がかりになります。
まずは、よく通っている病院を一つ知るところからでも十分です。
いつもの先生に、ほかの体調の変化も相談していい?
「血圧の先生だから、ほかのことは聞けないかな」と迷うこともありますよね。
そんなときも、「最近、食欲が落ちてきた」「ふらつくことが増えた」「夜、眠れなくなった」など、気になる変化を普段の受診で伝えてみるのは一つの方法です。
その先生の専門外であれば、必要に応じて別の診療科や医療機関を案内してもらえることがあります。
家族からは、「それ、いつもの先生に一度聞いてみる?」と声をかけるくらいで大丈夫。急に強い症状が出たときは、次の定期受診を待たずに医療機関や救急の相談先へ連絡してください。
通院先がいくつもあるときは、薬の情報をつなげておく
内科、眼科、整形外科など、いくつもの医療機関に通っている方もいます。「一つにまとめなきゃ」と考えるより、ほかの医療機関で受けている治療や薬の情報を伝えられるかを意識してみましょう。
- 受診や薬局に、お薬手帳を持っていく
- ほかの医療機関にも通っていることを伝える
- 薬が変わったら、お薬手帳に記録してもらう
お薬手帳は、薬の重複や飲み合わせを確認する手がかりになります。
病院で働いていると、入院時に普段の通院先や薬がすぐには分からない場面があります。本人も薬の名前までは覚えていないことがあり、お薬手帳が大切な情報になるのをよく見ます。
本人がよければ、家族も「よく通う病院」と「お薬手帳の置き場所」を知っておくと、いざというときに役立ちます。
「病院には行きたくない」と言うときは
「かかりつけ医を決めておこうよ」と言っても、「まだ元気だから必要ないよ」と返ってくることがあります。
そんなとき、無理に説得しなくても大丈夫です。「もし体調が悪くなったら、どこに電話したらいいかな?」という話から始めてみませんか。
本人が大切にしている気持ちを聞きながら、今ある通院先や、困ったときの相談先を一緒に考えてみてください。
相談できる医師がいないときは
今はどこにも通院しておらず、相談先が分からないこともあります。
新しく医療機関を探すときは、本人が通いやすい場所か、話しやすいか、説明が分かりやすいかも大切です。受診先を探すには、厚生労働省の医療情報ネットも使えます。
健康のことに加えて、暮らしや介護の困りごともあるなら、地域包括支援センターに相談する方法もあります。医療機関の紹介を必ず受けられる窓口というより、地域で使える支援を一緒に考える相談先です。
離れて暮らす家族が、聞いておきたいこと
本人が話してくれる範囲で、分かるところから一つずつ確認してみましょう。
- よく通っている病院・クリニックはどこか
- 体調が変わったとき、まず誰に相談するか
- お薬手帳はどこにあるか
- 緊急時に連絡してほしい家族は誰か
家族がすべてを管理する必要はありません。まず一つ分かれば、それも大切な前進です。
まとめ
「かかりつけ医がいない」と聞くと、早く新しい先生を探さなきゃ、と思うかもしれません。
でも、まずは今の通院先を確認してみてください。すでに通っている先生が、体調の変化を相談する入口になることもあります。
次の電話では、「何かあったとき、どの先生に相談してる?」と聞いてみませんか。本人の気持ちを大切にしながら、一緒に相談先を知っておけると安心です。
この記事は一般的な情報をまとめたものです。症状があるときや受診先に迷うときは、医療機関や地域の相談窓口に相談してください。
参考:厚生労働省「かかりつけ医ってなに?」、厚生労働省「かかりつけ医の見つけ方・探し方」、厚生労働省「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項」


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